今のアジングの常識は、
- レングスは5フィート台のショートレングス
- パリンパリンに張りのある高弾性カーボンを使い
- ティップには振動伝達能力の高いハードソリッドを細く削って繊細に仕上げ
- エクストラファーストテーパーを駆使して全集中でアタリを感じ
- 魚が違和感を感じる前に電撃フッキングのスタイル
ブルーカレントⅢ63は、
- 今ではちょっと長めと言われる6フィート3インチ
- 素材は(たぶん)中弾性と高弾性カーボンのブレンドでよく曲がり
- 反響アタリを伝えやすいチューブラーティップは張りを抑えてしなやかに動き
- 魚に違和感を与えない「のせ」の釣りもできるアジングロッド。
何が言いたいかというと、ブルーカレントⅢ63は今のアジングの常識から大きく外れたロッドであるということ。
そんなブルーカレントⅢ63に興味を持ちインプレ記事を読みたいと思ってこの記事にたどり着いたあなた!
ようこそ、流行に流されない世界へ ^^) _旦~~
ブルーカレントⅢ63とは
最初に、ヤマガブランクスが公開しているロッドのバランスと曲がりが見える動画をご覧ください。
リグの重さ別のティップの入り具合やリールをセットした時のタックルバランス、負荷をかけていった時のロッドの曲がりなどよくわかる動画だと思います。ヤマガブランクスはこういった情報をしっかり出してくれるのでうれしいです。
キャスト動画の中、着水直後しゃくった時のティップの動きで0.5gの時はラインテンションによるもたれるような動きはほぼ見えませんが、1.5gではしゃくったティップがもたれるような動きが見えます。実際PEラインで0.5gくらいのリグでは感触は薄く感じます。1gから私のような腕感度が低レベルでもリグの感触がはっきりし始めます。フロロカーボンだったらラインの自重が加わるのでもう少しわかりやすくなります。
またフォール時もPEでは1gのフォールのテンションでティップがほんの少しもたれて始めますが、1.5gくらいが最もアタリが取りやすい状況になります。
タックルバランスは160gと170gのリールの時のバランスが見れますが、私の手元にあるリールでは160gのソアレCI4+の時より150gのヴァンフォードC2000Sのほうが先おもりにはなりますが全体のバランスとか重量感でめちゃくちゃ竿先が軽く感じます。170gのリールだとほぼ水平バランスになりますが、150gを体験した後では少しタックル全体の重さを感じます。水平バランスがいいのか先おもりでもタックル全体の重量感や竿先の重量感が軽く感じるのがいいかは使う皆様の判断でお願いします。
次に、ヤマガブランクスのブルーカレントⅢ63の紹介文章です。
ショートレングスを活かし、メイン0.5g~3gという幅広いウェイトレンジをカバーするセンシティブモデル。
実用的な0.5g~3gという幅広いウェイトレンジのジグヘッドで抜群の飛距離を弾き出しながらも、腕の延長の用な操作感でターゲットとの距離を縮めるショートレングスモデル。
「掛け」と「乗せ」の融合を求め入念に調子を整えたブランクは、ジグヘッドの軽快なトゥイッチングやジャークでターゲットに捕食スイッチを入れ、小さな「コツッ」というアタリに対して積極的な合わせを可能にします。
またフォールで攻める際には、潮圧、前アタリなどわずかな水中の変化を伝える高い感度と、魚に違和感を与えず食わせる繊細さがセレクティブなターゲットも確実なフッキングへと導きます。2g前後のプラグも心地良く操作できる、ショートレングスモデルです。
引用:ヤマガブランクスHPより
ヤマガブランクスの説明はいつもなんだかよくわからない文章なのが特徴です(誉め言葉)。
ブルーカレントⅢ53と比べて
ブルーカレントⅢ53はブルーカレントⅢシリーズで私が最も気に入っているロッドで、スローテーパーでよく曲がるのに、シャキッと感(ロッドがまっすぐに戻ろうとするパワー)が強くなっていてリグの存在がわかりやすく、感度が高く、抜けアタリも取れるロッドです。気に入りすぎてインプレ記事を3つも作りました。お時間許すならこちらもご覧ください。
そんな53のロングバージョンが欲しくてブルーカレントⅢ63を買いましたが、手に取った瞬間「あ、これ違う」って感じました。
ティップは53より柔らかくよく動きますが、ベリー部にやや張りがあって全体のテーパーはややファーストテーパーです。テーパーは先ほど紹介した動画の中でも確認できますが、感覚としてはブルーカレント510(旧モデル)やブルーカレント68Ⅱ(旧モデル)のテーパーでバットのパワーを上げてティップの張りを少し落としたような感じです。
やわらかいティップのおかげでヤマガブランクスが言うように掛けと乗せのどちらもできますが、どちらかというと乗せ寄りリトリーブの釣りが得意なように思います。1.5gのジグ単でメバリングとか得意でしょう。
ブルーカレントⅢ510と比べて
53と510は主にパワーの違いでテーパーとかあまり違わないように思ってます。
なので使用感は53と変わりませんが、63はファーストテーパーで510よりも長さがあるのでキャロとスプリットが使いやすくなります。ジグ単より軽めの遠投系リグが使いやすいロッドです。
フォールのアジングよりリトリーブのアジング
購入後、17ソアレCI4+C2000SSPGにエステルラインを巻いて、水深6~7メートルほどのポイントで0.8gのジグヘッドのフォールの釣り、つまりブルーカレントⅢ53が得意な釣りで使いましたが、やはり間違った使い方でした。
フォール中のリグの存在感があまり感じられません。
このロッドが得意な釣りをするならリールはソアレにダブルハンドル付けて、ラインは風が弱ければPE風が強ければフロロカーボンで1.5~2.5gくらいのジグヘッドで狙った層をリトリーブする釣りがいいと思います。
しなやかなティップを少しだけ曲げるラインテンションを維持しながらリーリングでアタリがあればそのままリールを巻いてフッキングする釣りが気持ちよく使えます。
特にPEラインを使った時の感度がすごいので環境が許す限り使いたいラインです。なぜこんなにPEラインを推すのかはこちらをご覧ください。
リアルなタックルバランス
先に紹介した動画の中でもリールを装着した時のバランスが確認できましたが、実際に160gのソアレCI4+だけではバランスポイントが少し遠く感じます。私の手が小さいこともありますが、もう少しバランスポイントを手前にしたかったのでダブルハンドルとスタンドをつけて178gにしてみた時のバランスがこちら。
160gの時よりバランスポイントが少し手前に来ました。薬指と小指の間にリールフットを挟むと自然に中指がバランスポイントに収まり、竿先の重量感が消えます。
もう少し重くするとさらに手元にバランスが来て、持った時のブランクス側の重量感が薄くなります。200g前後がだいぶん軽く感じるので、170gから210gくらいのリールがバランスよいでしょう。
どんなアジングが向いているのか
ジグ単は1g以上の重さがあればフォールでも使えます。使いやすいのは同じく1.5~2gくらい。しかし沈下速度が速くなるので夏限定かな。ジグ単なら0.8gくらいからのリトリーブがおすすめです。
スプリットショットもリトリーブなら使いやすいでしょう。スプリットシンカーは1.5~3gくらいでジグヘッドは0.3~0.6gくらいがいいと思います。
キャロは軽めの1号くらいのピノキャロやミニMキャロでリーダーが短ければ向いています。ミニMキャロの2.5gに0.4gのジグヘッドでしたらジグ単で届かない距離を表層からボトムまで探れるので万能ですね。
私はミニMキャロの代わりにアルカジックのフリーシンカーのミニサイズを63で使います。
フロートならシャローフリークプチが使えますが、それならミニMキャロのほうが表層からボトムまで広範囲探れるので使いやすいかも。表層にしかアジがいないことがわかってるならフロートで表層付近を超スローフォール。
メタルジグもいいですね。5g以下のメタルジグをリトリーブやスローなワンピッチジャークで使うと使いやすいです。ジグサビキで使うといいです。
ブルーカレントⅢ63のインプレのまとめ
このように、ブルーカレントⅢ63はフォールもリトリーブできるロッドでジグ単は1g以上がマッチ、またいろんなリグを使ったアジングやメバリングに使いやすいロッド。つまり1本のロッドでジグ単のフォールもリトリーブできて、スプリットに軽めのキャロやフロートもなんでも使える汎用性が高いロッドです。
どのような方におすすめかというと、すでに流行りの軽量ジグ単専用パッツンショートロッドは持っていてそれ以外のリグが使えるアジングロッドが欲しい人(特にしたいリグは決まってない)や、シーバスや青物と同時にアジングをするので1本ですべてのアジングリグが使えるロッドが欲しい人がマッチすると思います。
コメント
お初にお目に掛かります。
53や510と比べてティップが入るということは、ブルーカレントIIIの中では豆アジや小アジ狙いにも良さそうですね。
ちょうど23コルト592よりもう少し長い豆アジ/小アジロッドを探してたので、候補として考えてみます。
ベリーからバットが強いという事は小アジ狙いのシーバスやロックフィッシュなんかに乱入されてもそれなりに落ち着いて対処出来そうです。
熊ごろーさん、こんにちは!
63のティップの曲がりは先から曲がる感があります。もし53とか510が手元にあったらティップにすこーしだけ負荷を掛けてみて欲しいんですが、トップガイドから2番目のガイドあたりってほぼ曲がってなくて3番4番ガイドあたりで曲がるんです。それが63は先から3番くらいまでが曲がりはじめるように感じます。先調子でバットにはパワーあるので私個人の感想としては、1g前後から上の重さに向いててあまり軽量は得意でない(私の技術不足という話もあります)ように感じます。豆アジはコルト592かブルーカレントⅢ53で釣るのが好きですね。592より長い豆アジロッドとなると私ならアブガルシアのスローテーパーという選択になるかも。あと63使っててのシーバスロックフィッシュは余裕を持って対応できると思います。
少し熊ごろーさんのご感想に否定的なところがあって恐縮ですが、私の意見なんて便所のチリ紙にもなりませんのでどうぞ気にせずロッド選びを楽しんでください!コメントありがとうございました。
ご回答ありがとうございます、本当に勉強になります。
当方アジング歴は4年目はいったばかり、まだまだ経験不足だと感じています(そもそも住んでいる三陸地域にがっつりアジが回ってきたのもここ数年ですし…)
アブですか…思いっきり盲点でした。
テーパー緩めだとしたら、エリアロッドでアジングも面白そうな気がしてきました。
そうなるとヤマガから出るルーパスのエリアモデルも気になります(発売は秋らしいですが…)。
アジングは他のジャンルにもまして底なし沼要素が多く、いよいよ抜け出せなくなったきたと思う今日この頃です。
色々勉強・精進・研鑽してみます。
エリアロッドいいですね!たまーにですがダイワのイプリミ56XXUL-Sというコシも
クソもないトラウトロッドでアジングします。トラウトロッドは動かさないアジングの勉強になりますよ。沼に頭まで浸かりましょう!